ひかりを探す

 自分が長い時間をかけて探していたものを、あなたがふらっと来てあっさり見つけてしまう、ということがよくある。もともとものを探すのが上手なわけではないし、どちらかと言うとよくなくしてしまう。忘れたくないことばかり、忘れてしまっているような感じがする。大切なものを抱えておくには、わたしの腕はあまりにも短い。わたしはあなたのことを好きだと思うけれど、それが食欲や睡眠欲の類いに勝てる欲求ではないことを悲しく思う。欲求の性質が違うとか、そういうことは慰めにはならない。もっともっと深いところで、欲しい、と思うことができたらいいのに。世界はせまい。だのにあなたはいつも遠くにいる。顔を見て、話をすることはできても、頬を引っ張ることはできない。指でなぞることすらできない。声を直接聴きたい。触りたい触りたい触りたい。強く願っても、わたしに翼は生えてこない。あなたは泣かなくていい。泣くのは、わたしのそばにいるときだけでいい。それも、あたたかい涙であればいい。遠くで何かが光る。わたしの触れない、遠いところで光る。